米国サンディエゴおよびアイルランド・ダブリン、2022年12月8日、JSRライフサイエンスの Crown Bioscience と ERS Genomics 社(以下、ESR)は ESR が保有する CRISPR/Cas9 の関連特許利用に関わるグローバルライセンス契約を締結し、グローバルでのCRISPR/Cas9 を用いたゲノム編集に関わる完全なライセンスを受けることになりました。
Crown Bioscience は製薬企業やバイオテクノロジー企業に対し、革新的な前臨床およびトランスレーショナルサービスを提供し、がん、がん免疫、免疫介在性炎症性疾患に関わる創薬と開発を支援するグローバル CRO(Contract Research Organization)です。
ERS は、同社の共同創設者で2020年ノーベル賞受賞者の Emmanuelle Charpentier 博士の、研究利用における CRISPR/Cas9 の基本特許の世界的な独占ライセンスを保有しています。ERS Genomics は全世界で100件以上の特許を保有しています。
Charpentier博士による、CRISPR-Cas9のゲノム編集利用で、DNAとRNAの利用方法に関して革新が起き、生命科学分野に変革を起こした研究成果の発表から10年が経ちました。今回の契約は業界において一つの節目となります。
この新しい契約により Crown Bioscience はゲノム編集に関わるリソースを強化し、3D 患者由来がんオルガノイドでのゲノム編集利用の可能性について評価します。そして、この契約により、同社はより高いスループットのスクリーニングに向けて、3D での特徴のある前臨床の評価方法の開発が可能となり、3Dモデルにマッチした下流での in vivo モデルを用いた評価オプションを提供できるようになります。本契約により Crown Bioscience は適切な特許権利者からライセンスを受けることにより、全世界で CRISPR/Cas9を用いた商業的なサービスを提供できるようになりました。
Crown Bioscience の最高事業責任者である Mike Prosser は「現在提供しているサービスを拡大することで、より革新的な創薬ソリューションをお客様に提供することができます。CRISPR 技術を用いたゲノム編集により、2Dと3Dの細胞や患者由来のオルガノイドに対し、性能を付加し、操作できることに対して大きな可能性を感じています。」とコメントしました。
ESR の CEO である Eric Rhodes は「CRISPRは、バイオテクノロジーに革命を起こし、これまで以上に幅広い用途で使用され続けています。Crown Bioscience と協業することによって、この技術がさらに最先端のアプリケーションに利用されることは画期的であると感じます。CRISPRを用いたオルガノイドの細胞機能の編集は素晴らしい技術であり、我々は常に CRISPR の新しい可能性の探求を支援したいと考えます。」と述べました。
本契約における財務上の詳細については開示しておりません。
ESR Genomics は、アイルランドのダブリンに拠点を置くバイオテクノロジー企業です。Emmanuelle Charpentier 博士が保有する CRISPR/Cas9 の基本特許を管理する目的で設立されました。研究ツール、キット、試薬、治療介入のための新規ターゲット発見、新薬候補物質の探索とスクリーニングのための細胞株、ヘルスケア製品のGMP生産、コンパニオンアニマルおよび家畜の健康、酵素、バイオ燃料、化学物質などの工業材料の生産、合成生物学を含む複数の分野にわたる製品およびサービスの研究と販売のための非独占的ライセンスを提供しています。
さらに詳細な情報はこちら www.ersgenomics.com
Crown Bioscience
Louise Stenson
pr@crownbio.com
ERS Genomics
Dara O’Donnell
Tel: + 353-1-539 0083